「よし、完璧な資料ができた!」と思って提出したのに、後から恥ずかしい誤字脱字が見つかって冷や汗をかいた経験はありませんか?
ビジネス文書やレポート、ブログ記事など、文章の品質はあなたの信頼性に直結します。誤字脱字が一つあるだけで、「注意散漫な人」「仕事が雑な人」という印象を与えかねません。
しかし、人間である以上、完璧なチェックは難しいもの。そこで強力な味方になるのが、皆さんが普段何気なく使っているMicrosoft Wordの「文章校正機能」です。
「赤い波線や青い波線は見るけど、何となく使っているだけ…」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Wordの文章校正機能を基礎から応用まで徹底的に解説し、誰でも簡単に誤字脱字を防ぎ、文章の品質を劇的に向上させる方法をご紹介します。この記事を読み終える頃には、あなたもWordの文章校正マスターになっているはずです。
Wordの文章校正機能とは?基本を再確認しよう
まずは、Wordの文章校正機能がどのようなものなのか、基本からおさらいしましょう。この機能を正しく理解することが、使いこなすための第一歩です。
自動でチェックしてくれる「スペルチェックと文章校正」
Wordには、文章を入力しているそばから、リアルタイムで誤字脱字や文法的な誤りをチェックしてくれる機能が標準で搭載されています。これが「スペルチェックと文章校正」です。
特別な設定をしなくても、Wordを起動した瞬間からこの機能は働いています。文書内に引かれる「赤い波線」や「青い波線」が、そのサインです。
この自動チェック機能のおかげで、私たちは入力中の単純なミスにすぐに気づき、修正することができます。見慣れた表示かもしれませんが、これこそがWordの文章校生機能の根幹なのです。
赤線と青線(波線)の違いは?
文章の下に表示される波線には、主に2種類の色があり、それぞれ指摘する内容が異なります。この違いを理解することが、効率的な修正への近道です。
| 波線の種類 | 指摘内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 赤い波線 | スペルミス(誤字脱字) | 「会議」を「会議議」と入力 「こんにちは」を「こんにちはわ」と入力 |
| 青い二重線 | 文法や表現の誤り、不自然な言い回し | ら抜き言葉: 「見れます」 冗長な表現: 「〜ということができます」 不適切な助詞: 「私は行きますか?」 |
このように、赤線は「明らかな間違い」を、青線は「文法的に、あるいは表現として改善の余地がある箇所」を指摘してくれます。特に青線を意識することで、より洗練された読みやすい文章を作成できます。
ステータスバーでの確認方法
文書全体の校正状況をひと目で確認したい場合は、Word画面左下の「ステータスバー」を見てみましょう。
通常は「校正エラーはありません」と表示されていますが、文書内に修正候補がある場合は、本のアイコンにチェックマークやバツ印が表示されます。このアイコンをクリックすることでも、文章校正ツール「エディター」を起動することができます。
文書が長くなると見落としも増えるため、最後にステータスバーを確認する癖をつけると良いでしょう。
今すぐできる!Word文章校正機能の基本的な使い方
基本を理解したところで、次は具体的な操作方法を見ていきましょう。難しい操作は一切ありません。今日からすぐに実践できる簡単な方法ばかりです。
[F7]キーで一括チェックを始めるショートカット
文章をすべて書き終えた後、全体をまとめてチェックしたい場合に最も効率的なのが、ショートカットキーF7です。
F7キーを押すと、画面右側に「エディター」ウィンドウが表示され、文書の先頭から順番に修正候補を提示してくれます。一つひとつ確認しながら「修正」「無視」「すべて無視」などを選択していくだけで、文書全体のチェックが完了します。
マウスでメニューを探す手間が省けるため、このショートカットキーは絶対に覚えておきましょう。
右クリックで修正候補をサッと適用
文章の入力中に波線が表示された場合、最も手軽な修正方法が「右クリック」です。
- 波線が引かれた単語や文章の上にマウスポインターを合わせます。
- 右クリックします。
- メニューの最上部に修正候補が表示されるので、正しいものをクリックして選択します。
これで一瞬で修正が完了します。ほとんどの単純なミスは、この右クリック操作で解決できるため、入力のリズムを崩さずに作業を進めることが可能です。
「エディター」機能で総合的な文章品質をチェック
「エディター」は、単なる誤字脱字チェックにとどまらない、より高度な文章校正ツールです。
リボンの[校閲]タブにある[エディター]をクリックするか、F7キーで起動します。
エディター画面では、以下のようなカテゴリーで文章の問題点をスコア化し、分かりやすく提示してくれます。
- スペルチェック: 誤字脱字
- 文章校正: 文法、句読点、表現の誤り
- 明確さ: わかりにくい表現やあいまいな言葉
- 簡潔さ: 冗長な表現や不要な単語
- 丁寧さ: 不適切な言葉遣いや表現
- その他: 表記の揺れなど
各項目をクリックすると、該当箇所と修正候補が一覧で表示されます。これにより、自分の文章の弱点を客観的に把握し、文章全体の品質を総合的に高めることができます。
もっと便利に!文章校正機能のカスタマイズ設定
Wordの文章校正機能は、初期設定のままでも十分に優秀ですが、一手間加えてカスタマイズすることで、さらにあなたの執筆スタイルに合った強力なパートナーになります。
校正オプションの開き方
カスタマイズを行うには、まず「校正オプション」の画面を開く必要があります。
- 画面左上の[ファイル]タブをクリックします。
- 左側のメニュー一番下にある[オプション]を選択します。
- 「Wordのオプション」ウィンドウが開くので、左側メニューから[文章校正]をクリックします。
この画面で、文章校正に関するあらゆる設定を変更することができます。
自分好みに調整するべき主要な設定項目
「文章校正」のオプション画面には多くの項目がありますが、特に確認・変更をおすすめする主要な設定をご紹介します。
「Wordのスペルチェックと文章校正」の詳細設定
「文章校正」オプションの中ほどにある「Wordのスペルチェックと文章校正」セクションの[設定]ボタンをクリックしてください。ここで、文法や表現のチェック項目を細かく指定できます。
- ら抜き言葉: 「見れる」「食べれる」などをチェックするかどうか。
- 冗長な表現: 「〜することができます」のような回りくどい表現をチェックするかどうか。
- 不自然なかなの使い方: 「こと」「とき」など、ひらがなで書くべき箇所をチェック。
- 表記の揺れ: 「コンピュータ」と「コンピューター」、「行う」と「行なう」などの表記揺れをチェック。
自分の文章の癖や、作成する文書のトーン&マナーに合わせて、チェック項目をオン・オフしてみましょう。特に「表記の揺れ」は、文書全体の一貫性を保つために非常に重要な機能です。
「自動修正のオプション」で入力ミスを先回り
「文章校正」オプション画面の上部にある[自動修正のオプション]ボタンも便利です。
ここでは、特定の入力を自動で修正するルールを設定できます。例えば、
- 「(c)」と入力すると「©」に自動変換する
- 文の先頭文字を自動で大文字にする(英文の場合)
- 自分がよく間違える単語を登録しておく(例: 「ふいんき」→「雰囲気」)
よくある入力ミスを登録しておけば、そもそもミスが発生するのを防ぐことができ、作業効率が格段にアップします。
ユーザー辞書への単語登録で固有名詞も安心
専門用語や社内の固有名詞、人名などが、スペルミスとして赤線で表示されてしまい、煩わしいと感じたことはありませんか?
そんなときは、それらの単語を「ユーザー辞書」に登録しましょう。
- 赤線が引かれた単語を右クリックします。
- メニューから[辞書に追加]を選択します。
たったこれだけで、その単語は以降スペルミスとして扱われなくなります。これにより、本当にチェックが必要な箇所に集中することができます。
ユーザー辞書は、「文章校正」オプション画面の[ユーザー辞書]ボタンから、登録した単語の一覧を確認・編集することも可能です。
上級者向け|Word校正機能を最大限に活用するテクニック
基本的な使い方とカスタマイズをマスターしたら、さらに一歩進んだテクニックで、文章作成のレベルをもう一段階引き上げましょう。
「読みやすさ」の評価を有効にする方法
Wordには、文章がどれくらい読みやすいかを客観的な数値で評価してくれる隠れた機能があります。これを有効にすると、校正完了後に「読みやすさの評価」が表示されるようになります。
- [ファイル] → [オプション] → [文章校正]を開きます。
- 一番下にある「文章の読みやすさを評価する」のチェックボックスをオンにします。
この設定を有効にしてからF7キーで校正を実行すると、完了時にポップアップが表示され、以下のような情報が確認できます。
- 1文あたりの平均文字数: 短いほど読みやすいとされます。
- 1単語あたりの平均音節数: 難しい漢字やカタカナ語が少ないかの指標。
- 読解の容易度 (Flesch-Kincaid): 数値が高いほど、平易で読みやすい文章であることを示します。(主に英語で使われる指標ですが、日本語でもある程度の目安になります)
これらの数値を参考にすることで、「なんとなく読みにくい」といった感覚的な問題を、具体的なデータに基づいて改善していくことができます。
スタイル機能と組み合わせた一貫性のある文章作成
見出しや本文のフォント、サイズなどがバラバラな文書は、読みにくいだけでなく、プロフェッショナルな印象を与えません。
Wordの「スタイル」機能を使って、「見出し1」「見出し2」「本文」などの書式をあらかじめ定義しておきましょう。文章校正機能は、こうしたスタイル設定の一貫性もチェックの対象に含めることがあります(例: 見出しの句読点の有無など)。
文章の内容だけでなく、見た目の体裁も整えることで、文書全体の品質が向上します。
Wordだけじゃない!外部ツールとの連携も視野に
Wordの校正機能は非常に強力ですが、万能ではありません。より専門的な校正や、特定の業界・分野に特化した表現チェックを行いたい場合は、外部の校正ツールを併用するのも一つの手です。
有料の専門的な校正ソフトや、Web上で利用できる校正サービスなどがあります。Wordで下書きと基本的なチェックを行い、最終仕上げとして外部ツールにかける、といった使い分けをすることで、さらにミスのない完璧な文章を目指すことができます。
よくある質問(FAQ)
最後に、Wordの文章校正機能に関してよく寄せられる質問とその解決策をまとめました。
Q1. 文章校正が機能しない・波線が表示されないときの対処法は?
A1. いくつか原因が考えられます。以下の点を確認してみてください。
- 設定が無効になっている: [ファイル]→[オプション]→[文章校正]で、「入力時にスペルチェックを行う」「入力時に文法エラーをマークする」のチェックが外れていないか確認してください。
- 言語設定が間違っている: 校正したい文章が、意図しない言語(例: 英語)として認識されている可能性があります。文章を選択し、ステータスバーの言語表示(例: 「日本語」)をクリックして正しい言語に設定し直してください。
- 特定の箇所だけ無効になっている: 次のQ2で解説する方法で、部分的に校正が無効化されている場合があります。
Q2. 特定の部分だけ校正を無効にしたい場合は?
A2. 引用文やプログラムのコードなど、あえて修正したくない部分がある場合は、その部分だけを校正の対象外に設定できます。
- 校正を無効にしたい範囲を選択します。
- [校閲]タブの[言語]グループにある[言語]をクリックし、[校正言語の設定]を選択します。
- 表示されたウィンドウで「スペルチェックと文章校正を行わない」にチェックを入れて[OK]をクリックします。
これで、選択した範囲に波線が表示されなくなり、F7キーでの一括チェックでもスキップされるようになります。
Q3. 英語の文章校正もできますか?
A3. はい、非常に高い精度で可能です。Wordはもともと英語圏で開発されたソフトウェアのため、英語のスペルチェック、文法チェック機能は日本語以上に強力です。
英文を入力すると、Wordが自動で言語を認識し、英語用の校正ルールを適用してくれます。言語が正しく認識されていない場合は、Q1と同様に言語設定を確認してください。
まとめ
Microsoft Wordの文章校正機能は、単なる誤字脱字チェッカーではありません。カスタマイズや応用テクニックを駆使することで、あなたの文章作成能力を飛躍的に向上させてくれる、最強の文章作成アシスタントです。
この記事で紹介した内容をまとめます。
- 基本を理解する: 赤線はスペルミス、青線は文法・表現。
- 基本操作を覚える: F7キーでの一括チェックと、右クリックでのクイック修正をマスターする。
- 自分仕様にカスタマイズする: オプション画面から、チェック項目やユーザー辞書を自分好みに設定する。
- 一歩進んだテクニックを活用する: 「読みやすさの評価」で文章を客観的に分析する。
誤字脱字のない、洗練された文章は、あなたの思考を正確に伝え、読み手からの信頼を勝ち取ります。これまで何となく使っていたWordの文章校正機能を、今日からぜひ意識的に活用してみてください。あなたの作成する文書が、見違えるほどクオリティアップすることをお約束します。


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