PCの安定動作に不可欠な電源ユニットですが、実はいくつかの異なる規格が存在します。主に目にするのは「ATX」「SFX」「TFX」といった規格です。これらの規格は、サイズや形状、そして主に使われるPCケースの種類が異なります。
この記事では、これらの代表的なPC電源ユニットの種類とそれぞれの違い、そしてどのような場合にどの規格を選べば良いのかを、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
PC電源ユニットの規格とは?
PC電源ユニットの規格は、主にその物理的なサイズとコネクタの仕様を定めたものです。マザーボードやPCケースの規格に合わせて電源ユニットを選ぶ必要があるため、これらの違いを理解しておくことは、PCパーツ選びにおいて非常に重要です。
現在、自作PCで主流となっているのはATX規格ですが、小型PCのニーズの高まりとともに、SFXやTFXといった小型規格の電源ユニットも注目を集めています。
代表的な電源ユニットの規格:ATX、SFX、TFX
それでは、それぞれの規格の特徴を見ていきましょう。
ATX(Advanced Technology Extended)
ATXは、デスクトップPC用の電源ユニットとして最も一般的で、長年にわたって主流の規格です。
- 特徴:
- 比較的大きなサイズで、冷却性能に優れている製品が多い。
- 多くのPCケースに対応しており、選択肢が豊富。
- 高出力の製品も多く、ハイエンドなゲーミングPCなどにも適している。
- 主な用途:
- 一般的なミドルタワー、フルタワーなどのATX規格のPCケース
- 幅広い用途のデスクトップPC
ATX電源ユニットは、標準的なサイズのPCケースに無理なく収まり、内部のエアフローを確保しやすいというメリットがあります。また、製品の種類も非常に豊富で、価格帯や機能も多岐にわたります。初めて自作PCを組む方や、特に小型PCにこだわらない場合は、ATX規格の電源ユニットを選ぶのが一般的です。
SFX(Small Form Factor)
SFXは、小型PCケース向けに設計されたコンパクトな電源ユニットの規格です。
- 特徴:
- ATXよりも大幅に小型で、省スペースなPCケースに最適。
- 小型ながらも、必要な電力を十分に供給できる製品も増えている。
- 冷却性能はATXに比べて劣る場合があるため、ケースのエアフロー設計も重要になる。
- 主な用途:
- Mini-ITXなどの小型マザーボードを採用したPCケース
- コンパクトなゲーミングPCやリビングPC
小型PCを組む際には、SFX規格の電源ユニットが必須となるケースが多いです。限られたスペースに収まるように設計されており、小型ながらも高性能なパーツを搭載したい場合に適しています。ただし、ATXに比べると製品の選択肢はやや少なく、価格も高めになる傾向があります。
SFXには、さらに小型化された「SFX-L」という規格も存在します。これは、SFXよりも奥行きがわずかに長く、より大きな冷却ファンを搭載できるため、冷却性能と静音性を向上させたい場合に選ばれることがあります。
TFX(Thin Form Factor)
TFXは、スリム型のPCケース向けに設計された、細長い形状の電源ユニットです。
- 特徴:
- 非常に薄型で、スリムタワー型のPCケースに最適。
- ATXやSFXに比べると、出力容量が限られる傾向がある。
- 冷却性能も、サイズの関係からATXやSFXに劣る場合がある。
- 主な用途:
- スリムタワー型のデスクトップPCケース
- 一部の省スペースPC
TFX規格の電源ユニットは、主にスリム型のPCケースに搭載するために設計されています。そのため、一般的な自作PCの選択肢としては、ATXやSFXほど一般的ではありません。スリム型PCを組む場合や、既存のスリム型PCの電源ユニットを交換する場合に検討される規格となります。
各規格のサイズ比較(目安)
それぞれの規格のおおよそのサイズ感を把握しておきましょう。
- ATX: 約150mm (幅) x 86mm (高さ) x 140mm (奥行き)
- SFX: 約125mm (幅) x 63.5mm (高さ) x 100mm (奥行き)
- TFX: 約85mm (幅) x 64mm (高さ) x 175mm (奥行き)
これらの数値はあくまで目安であり、製品によって多少の差異があります。PCケースの対応する電源ユニットの規格と、実際に購入する電源ユニットのサイズを必ず確認するようにしてください。
どの規格を選べば良い?選び方のポイント
では、実際にどの規格の電源ユニットを選べば良いのでしょうか?最も重要なのは、「使用するPCケースがどの規格に対応しているか」です。
- 一般的なミドルタワー、フルタワーケース: ATX規格
- Mini-ITXなどの小型ケース: SFX規格(またはSFX-L規格)
- スリムタワーケース: TFX規格
基本的には、PCケースの仕様に合わせて電源ユニットの規格を選ぶことになります。
補足: 一部の小型ケースでは、ATX規格の電源ユニットも搭載可能な場合がありますが、スペースが限られるため、SFX規格の方が推奨されることが多いです。
まとめ
この記事では、PC電源ユニットの主な規格であるATX、SFX、TFXの違いと、それぞれの選び方について解説しました。
- ATX: 最も一般的な規格で、多くのPCケースに対応。選択肢が豊富で、高出力な製品も多い。
- SFX: 小型PCケース向けのコンパクトな規格。省スペースながらも必要な電力を供給できる。
- TFX: スリム型PCケース向けの薄型規格。
電源ユニットを選ぶ際には、まず使用するPCケースがどの規格に対応しているかを確認し、その上で必要な出力容量や80PLUS認証、プラグイン方式などを考慮すると良いでしょう。
もし、どの規格を選べば良いか迷った場合は、PCケースの仕様を再確認するか、自作PCに詳しい人に相談してみることをお勧めします。適切な電源ユニットを選ぶことが、安定したPC環境の第一歩です。


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