「新しいメモリを買ってきたのに、PCが起動しない…」 「メモリを増設したら、動作が不安定になった…」
PCパーツの中でも、比較的簡単に増設できるメモリですが、実は他のパーツとの「相性」によって予期せぬトラブルが発生することがあります。せっかく購入したメモリが無駄にならないよう、また、スムーズなPCのアップグレードを実現するために、メモリの相性問題についてしっかりと理解しておきましょう。
この記事では、メモリの相性問題とは具体的にどのようなものなのか、組み合わせる際に注意すべき点、そして万が一トラブルが発生した場合の回避策について詳しく解説します。
メモリの相性問題とは?
メモリの相性問題とは、購入したメモリが、使用しているマザーボードやCPUといった他のPCパーツとの間で、仕様上の互換性がないために正常に動作しない、あるいは不安定な動作を引き起こす現象を指します。
具体的には、以下のような症状が現れることがあります。
- PCが起動しない
- ブルースクリーンエラー(BSOD)が頻繁に発生する
- アプリケーションが予期せず終了する
- PCの動作が不安定になる(フリーズするなど)
- BIOS(UEFI)でメモリが認識されない、または誤った容量で認識される
これらの問題は、メモリ自体が故障しているのではなく、あくまで他のパーツとの組み合わせに問題がある場合に起こり得ます。
メモリの組み合わせで注意すべき点
メモリの相性問題を避けるためには、メモリを選ぶ際にいくつかの重要な点に注意する必要があります。
- メモリの規格(DDR4、DDR5など): マザーボードが対応しているメモリの規格は決まっています。例えば、DDR4に対応したマザーボードにDDR5のメモリを取り付けても動作しません。必ずマザーボードの仕様を確認し、対応する規格のメモリを選びましょう。
- メモリの速度(MHz、PC〇〇〇〇など): マザーボードは、特定のメモリ速度に対応しています。対応していない速度のメモリを取り付けた場合、正常に動作しないか、あるいは本来の速度で動作しないことがあります。マザーボードの仕様を確認し、推奨されている速度のメモリを選ぶのが基本です。
- メモリの容量: マザーボードには、搭載できるメモリの最大容量が定められています。これをオーバーする容量のメモリを搭載しても、一部しか認識されないか、正常に動作しない可能性があります。マザーボードの仕様で最大搭載容量を確認しましょう。
- メモリのチップ構成やランク: 同じ規格、同じ速度のメモリでも、チップの構成やランク(シングルランク、デュアルランクなど)が異なると、マザーボードとの相性が出る場合があります。特に、古いマザーボードや一部の特定のチップセットでは、相性が出やすい傾向があります。
- メーカーや型番: 一般的に、同じメーカーの同じ型番のメモリを複数枚組み合わせるのが最も安全ですが、異なるメーカーや異なる型番のメモリでも、上記1~4の仕様が合致していれば動作することが多いです。しかし、稀に相性問題が発生することがあります。
トラブルを回避するための対策
メモリの相性問題によるトラブルをできるだけ避けるために、以下の対策を講じましょう。
- マザーボードのQVL(Qualified Vendor List)を確認する: 多くのマザーボードメーカーは、動作確認済みのメモリリスト(QVL)を公開しています。このリストに掲載されているメモリを選べば、相性問題が発生するリスクを大幅に減らすことができます。
- セット販売のメモリ(デュアルチャネルキットなど)を利用する: 複数枚のメモリを同時に購入する場合は、メーカーが動作確認済みのセット品を選ぶのも有効な手段です。特に、デュアルチャンネルやクアッドチャンネルで動作させる場合は、同じ仕様のメモリをセットで購入するのが推奨されます。
- レビューや互換性情報を参考にする: 購入前に、他のユーザーのレビューや、PCパーツに関する情報サイトなどで、使用しているマザーボードとの互換性に関する情報を集めるのも有効です。
- 信頼できる販売店で購入する: 万が一、相性問題が発生した場合に、返品や交換に応じてくれる信頼できる販売店で購入することも重要です。
相性問題が発生した場合のトラブルシューティング
もし、新しいメモリを取り付けた後にPCが正常に動作しなくなった場合は、以下の手順でトラブルシューティングを試してみてください。
- 元のメモリに戻してみる: まずは、増設前に使用していたメモリのみを取り付けて、PCが正常に起動するかどうかを確認します。これで正常に起動する場合は、増設したメモリに問題がある可能性が高いです。
- 新しいメモリ1枚だけで試してみる: 増設したメモリが複数枚ある場合は、1枚だけを取り付けて起動を試してみます。これを各メモリで試すことで、特定のメモリに問題があるかどうかを特定できる場合があります。
- メモリスロットを変えてみる: マザーボード上の別のメモリスロットにメモリを取り付けてみます。特定のメモリスロットとの相性問題である可能性も考えられます。
- BIOS(UEFI)の設定を確認する: BIOS(UEFI)でメモリが正しく認識されているか、メモリの速度設定などが適切かを確認します。場合によっては、BIOSのアップデートで相性問題が解消されることもあります。
- メーカーのサポートに問い合わせる: 上記のいずれの方法でも解決しない場合は、マザーボードまたはメモリのメーカーのサポートに問い合わせてみましょう。
まとめ
今回は、PCパーツであるメモリの相性問題について、その原因、注意点、そしてトラブル回避策を解説しました。
- メモリの相性問題は、メモリと他のPCパーツ(主にマザーボードやCPU)の仕様上の非互換性によって起こる
- メモリの規格、速度、容量、チップ構成などが相性に影響する
- マザーボードのQVLの確認や、セット販売のメモリの利用が有効な回避策
- トラブル発生時は、原因の切り分けが重要
メモリ増設は、PCのパフォーマンスアップに有効な手段ですが、相性問題に注意してパーツ選びを行うことが大切です。この記事が、あなたのPCアップグレードの一助となれば幸いです。
もしメモリ選びで迷ったり、トラブルに遭遇したりした場合は、焦らずに一つずつ原因を探ってみてください。


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