Wordで資料やレポートを作成する際、情報を整理して分かりやすく伝えるために「表」は欠かせないツールです。しかし、ただ情報を並べただけの表では、かえって見づらくなり、伝えたい内容が相手に正しく伝わらないことも少なくありません。
見やすい表は、情報の伝達効率を格段に上げ、資料全体のクオリティと説得力を向上させます。
この記事では、Wordでの基本的な表の作り方から、初心者から一歩抜け出して「見やすい」「分かりやすい」と評価される表を作成するための具体的なコツとテクニックまで、図解のように分かりやすく徹底解説します。ぜひ、あなたの資料作成スキルをワンランクアップさせるためにご活用ください。
Wordでの表の基本的な作り方4選
まずは、Wordで表を作成する基本的な方法を4つご紹介します。目的や状況に応じて最適な方法を選べるようになりましょう。
マス目を選択して作成する最も簡単な方法
最も直感的でスピーディーな方法です。作りたい表のおおよその行数と列数が分かっている場合に便利です。
- Wordのメニューから「挿入」タブをクリックします。
- 「表」をクリックすると、マス目が表示されます。
- 作りたい表の行数と列数になるように、マウスをドラッグしてマス目を選択します。例えば、3行4列の表なら、縦に3マス、横に4マスを選択します。
- クリックすると、選択したサイズの表が文書内に挿入されます。
この方法は、最大で10列×8行の表まで素早く作成できます。
行数・列数を指定して作成する
10列×8行を超える大きな表を作りたい場合や、正確なサイズを指定したい場合に適した方法です。
- 「挿入」タブから「表」をクリックします。
- 表示されたメニューの中から「表の挿入」を選択します。
- 「表の挿入」ダイアログボックスが表示されるので、「列数」と「行数」にそれぞれ必要な数値を入力します。
- 「OK」をクリックすると、指定したサイズの表が挿入されます。
文字列から表を作成する方法
すでにテキストとして入力済みのデータを、後から表に変換する方法です。例えば、カンマ(,)やタブで区切られたデータを貼り付けた際に役立ちます。
- 表にしたい文字列を選択します。このとき、列の区切りとなる文字(カンマ、タブ、スペースなど)が各行で統一されている必要があります。
- 「挿入」タブから「表」をクリックし、「文字列を表にする」を選択します。
- 「文字列を表にする」ダイアログボックスが表示されます。
- 「文字列の区切り」の項目で、区切り文字として使用されている文字(タブ、カンマ、段落など)を選択します。
- 「OK」をクリックすると、選択した文字列が自動的に表に変換されます。
Excelの表を貼り付ける方法
計算機能が必要な場合や、すでにExcelで作成済みの表をWord文書に入れたい場合は、Excelの表を貼り付けるのが最も効率的です。貼り付け方にはいくつかの種類があります。
- そのまま貼り付け(Wordの表として): Excelの書式を保ちつつ、Wordの表として編集できます。
- リンク貼り付け: 元のExcelファイルを変更すると、Word上の表も自動で更新されます。常に最新のデータを反映させたい場合に非常に便利です。
- 図として貼り付け: 表を画像として貼り付けます。編集はできませんが、レイアウトが崩れる心配がありません。
【操作手順】
- Excelでコピーしたい表の範囲を選択し、コピーします(Ctrl + C)。
- Wordの貼り付けたい位置で右クリックし、「貼り付けのオプション」から目的の貼り付け方法を選択します。
【初心者脱出】見やすい表を作るための7つの基本テクニック
基本的な表の作り方をマスターしたら、次はいよいよ「見やすい表」にするためのテクニックです。少しの工夫で、情報の伝わり方が劇的に変わります。
行の高さと列の幅を調整する
セルの内容に対して余白がなさすぎると、窮屈で読みにくい印象を与えます。逆に、余白が大きすぎても間延びしてしまいます。適切な余白を持たせることで、視認性が大きく向上します。
- 手動で調整: 罫線にマウスカーソルを合わせ、ポインタの形が変わったらドラッグして調整します。
- 自動で調整:
- 文字列の幅に合わせる: 調整したい列の右側の罫線をダブルクリックすると、その列で最も長い文字列に合わせて幅が自動調整されます。
- ウィンドウの幅に合わせる: 表を選択し、リボンの「レイアウト」タブ → 「自動調整」 → 「ウィンドウ サイズに合わせる」をクリックすると、ページの横幅いっぱいに表が広がります。
- 均等に配置: 複数の列や行を選択した状態で、「レイアウト」タブの「幅を揃える」や「高さを揃える」をクリックすると、選択範囲内の幅や高さを均等にできます。
文字の配置を整える
セル内の文字の位置は、表全体の印象を大きく左右します。基本ルールを覚えておきましょう。
| データの種類 | おすすめの配置 | 理由 |
|---|---|---|
| 項目名(見出し) | 中央揃え | 各列のヘッダーであることが明確になり、バランスが良く見える。 |
| 文字列 | 左揃え | 人の視線は左から右に動くため、自然で読みやすい。 |
| 数値・金額 | 右揃え | 桁が揃うため、数値の大小を比較しやすくなる。 |
文字の配置は、表内のセルを選択し、「レイアウト」タブの「配置」グループから、9種類(上下左右中央)のボタンで簡単に設定できます。
見出し行を分かりやすくする
表の1行目は、各列が何を示しているかを表す「見出し行」です。ここを他と区別することで、表の内容が一瞬で理解できるようになります。
- 背景色を変える: 見出し行を選択し、「テーブルデザイン」タブの「塗りつぶし」から、落ち着いた色(薄いグレーや青など)を設定します。
- 文字を太字にする: 見出し行のテキストを太字にすることで、本文とのメリハリがつきます。
罫線を使いこなす
デフォルトの黒い実線だけでなく、罫線を効果的に使うことで、情報を整理し、視線を誘導できます。
- 外枠を太くする: 表全体を囲む外側の罫線を少し太くすると、表のカタマリ感が強調され、本文との境界が明確になります。
- 内側の線を細く・点線にする: 内部の罫線を細い線や点線、または薄いグレーにすると、圧迫感がなくなり、すっきりとした印象になります。
- 不要な線を消す: 「テーブルデザイン」タブ → 「罫線」 → 「線種とページ罫線と網かけの設定」や、「罫線を引く」メニューから「罫線なし」を選ぶことで、特定の線だけを消すことも可能です。
セルの結合と分割をマスターする
複数のセルを一つにまとめたり、一つのセルを複数に分けたりすることで、より複雑な構造の表も作成できます。
- セルの結合: 結合したい複数のセルを選択し、右クリック → 「セルの結合」を選択します。大項目を立てる際などに便利です。
- セルの分割: 分割したいセルを選択し、右クリック → 「セルの分割」を選択します。分割後の列数と行数を指定できます。
交互に色を付けて視認性を高める(縞模様)
行数が多い表では、隣の行のデータと見間違えてしまうことがあります。行ごとに交互に色を付ける(縞模様にする)と、視線が水平に保たれ、格段にデータが追いやすくなります。
- 表の中のどこかをクリックして選択します。
- リボンに表示される「テーブルデザイン」タブをクリックします。
- 「テーブル スタイルのオプション」グループにある「縞模様(行)」にチェックを入れます。
これだけで、自動的に一行おきに色が付きます。色のパターンは「テーブル スタイル」から変更可能です。
表のスタイル機能で一瞬でおしゃれに
自分でデザインを調整するのが苦手な方や、時間がない方におすすめなのが「テーブル スタイル」機能です。
- 作成した表の中をクリックします。
- 「テーブルデザイン」タブを開きます。
- 「テーブル スタイル」の一覧から好みのデザインをクリックするだけで、プロがデザインしたような洗練された表に一瞬で変更できます。
まずはこの機能でベースのデザインを決め、そこから微調整を加えるのも効率的な方法です。
【応用編】さらに差がつく!Word表作成の高度なテクニック
基本テクニックをマスターしたら、さらに便利な応用機能にも挑戦してみましょう。資料作成の効率とクオリティがさらにアップします。
表の中で計算を行う方法
Wordの表でも、Excelほど高度ではありませんが、簡単な四則演算や合計(SUM)、平均(AVERAGE)などの計算が可能です。
- 計算結果を表示させたいセルをクリックします。
- 「レイアウト」タブ → 「データ」グループの「計算式」をクリックします。
- 「計算式」ダイアログボックスが表示されます。合計を求めたい場合、多くは自動で「=SUM(ABOVE)」(上のセルの合計)や「=SUM(LEFT)」(左のセルの合計)が入力されます。
- 必要に応じて計算式を修正し、「OK」をクリックすると結果が表示されます。
注意点: Wordの計算機能は、元の数値を変更しても自動では再計算されません。数値を変更した場合は、計算結果のセルを選択して右クリックし、「フィールド更新」を実行する必要があります。
長い表の「見出し行」を各ページに繰り返し表示する
複数ページにわたる長い表の場合、2ページ目以降に見出しがないと、どの列が何のデータか分からなくなってしまいます。この設定をしておくと、自動で各ページの先頭に見出し行が表示されるようになります。
- 見出しとして設定したい行(通常は1行目)を選択します。複数行でも可能です。
- 「レイアウト」タブ → 「データ」グループの「タイトル行の繰り返し」をクリックします。
これだけで、表が改ページされるたびに、自動的に見出し行が挿入されるようになります。資料の閲覧者にとって非常に親切な設定です。
表の並べ替え(ソート)機能を使う
表内のデータを、特定の列を基準に昇順(あいうえお順、小さい順)や降順(逆順)に並べ替えることができます。
- 並べ替えたい表の中をクリックします。
- 「レイアウト」タブ → 「データ」グループの「並べ替え」をクリックします。
- 「並べ替え」ダイアログボックスで、「最優先されるキー」に基準としたい列の見出しを選択します。
- 「種類」(数値、日付、テキストなど)と、「昇順」「降順」を選択して「OK」をクリックします。
最大3つのキーを組み合わせて、複雑な条件での並べ替えも可能です。
よくある質問(Q&A)
最後に、Wordの表作成で多くの人が疑問に思う点をQ&A形式で解説します。
Q. 表の一部だけ罫線を消したい場合はどうすればいいですか?
A. 罫線を消したいセルを選択した状態で、「テーブルデザイン」タブの「罫線」メニューを使います。
- 特定の罫線(例えば下罫線だけ)を消したい場合は、「罫線」のドロップダウンリストから「下罫線」などをクリックしてON/OFFを切り替えます。
- もっと自由に消したい場合は、「罫線の削除」を選択します。マウスカーソルが消しゴムの形になるので、消したい罫線をなぞるようにクリックまたはドラッグすると、その部分の罫線だけが消えます。作業が終わったら、もう一度「罫線の削除」ボタンをクリックするか、「Esc」キーを押して解除します。
Q. 作成した表を画像として保存できますか?
A. はい、可能です。表をコピーし、「図」として貼り付けることで画像化できます。
- 作成した表全体を選択し、コピーします(Ctrl + C)。
- 貼り付けたい場所で右クリックし、「貼り付けのオプション」から「図」のアイコンを選択します。
こうして貼り付けた表は画像データとして扱われるため、テキストの編集はできなくなりますが、拡大・縮小や移動が自由になり、レイアウトが崩れる心配もありません。画像化した表を右クリックして「図として保存」を選択すれば、JPEGやPNG形式の独立した画像ファイルとして保存することもできます。
Q. 表のサイズを文書の幅にピッタリ合わせる方法は?
A. 表を選択した状態で、「レイアウト」タブの「自動調整」機能を使います。
「自動調整」→「ウィンドウ サイズに合わせる」を選択すると、現在のページの余白設定に合わせて、表の横幅がピッタリと収まるように自動で調整されます。資料の見た目を整える際に非常に便利な機能です。
まとめ
今回は、Microsoft Wordでの表の作り方について、基本的な操作から見やすい資料を作成するための応用テクニックまで幅広くご紹介しました。
見やすい表を作成するためのポイント
- 余白と配置: 行の高さや列の幅、セル内の文字配置を整える。
- メリハリ: 見出し行に色を付けたり、文字を太字にしたりして強調する。
- 視線誘導: 罫線の太さや種類を調整したり、行を縞模様にしたりして視線をスムーズに導く。
- 効率化: 「テーブル スタイル」や「自動調整」などの便利機能を積極的に活用する。
単に情報を羅列するのではなく、これらのテクニックを使って「相手に伝わること」を意識して表を作成することで、あなたの作成する資料は格段に分かりやすく、説得力のあるものに変わります。
まずは、今回ご紹介したテクニックの中から一つでも二つでも、次回の資料作成で試してみてください。その効果にきっと驚くはずです。

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