自作PCを組む際、CPUとマザーボードの組み合わせは非常に重要です。なぜなら、CPUとマザーボードの間には互換性があり、間違った組み合わせを選ぶとPCを起動することができないからです。そして、CPUの二大メーカーであるIntelとAMDでは、対応するマザーボードが異なります。
そこで本記事では、IntelとAMDのマザーボードの違いに焦点を当て、互換性の基礎から、それぞれのマザーボードが持つ特徴、そして選び方のポイントまでを徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたの選んだCPUに最適なマザーボードを見つけることができるでしょう。
大前提!IntelとAMDでマザーボードは異なる
まず最も重要な点として、Intel製のCPUはIntel用のマザーボードに、AMD製のCPUはAMD用のマザーボードにしか搭載できません。 これは、CPUのソケット形状(マザーボード上のCPUを取り付ける部分)が異なるためです。
例えるなら、鍵と鍵穴のような関係です。IntelのCPUという鍵はIntelのマザーボードという鍵穴にしか合わず、AMDのCPUという鍵はAMDのマザーボードという鍵穴にしか合いません。
したがって、自作PCを組む最初のステップとして、どのメーカーのCPUを選ぶかを決めることが非常に重要になります。
ソケットの種類とチップセット
マザーボードを選ぶ上で理解しておきたいキーワードが「ソケット」と「チップセット」です。
ソケット
ソケットは、CPUをマザーボードに取り付けるための物理的な接点です。CPUの世代やモデルによってソケットの形状が異なるため、マザーボードとCPUのソケットが一致している必要があります。
- Intelの主なソケット: 現在主流なのはLGA 1700などです。過去にはLGA 1200、LGA 1151など様々な種類がありました。
- AMDの主なソケット: 現在主流なのはSocket AM5などです。過去にはSocket AM4などが広く使われていました。
同じメーカーのCPUでも、世代が異なるとソケットが変わることがあります。そのため、CPUを選ぶ際には、対応するソケットのマザーボードを選ぶ必要があります。
チップセット
チップセットは、マザーボードの中核となるIC(集積回路)のセットです。CPUとメモリ、拡張カード、ストレージなどの各デバイス間のデータ転送を制御する役割を担っています。
チップセットによって、以下のような機能や性能が異なります。
- サポートするCPUの世代
- PCI Expressのレーン数やバージョン
- USBポートの数や種類
- SATAポートの数
- オーバークロックの可否
IntelとAMDそれぞれに、様々な種類のチップセットが存在します。一般的に、ハイエンドなチップセットほど多くの機能や高い性能を持っています。
Intelマザーボードの特徴と選び方
Intelマザーボードは、Intel製のCPUと組み合わせて使用します。チップセットの種類によって、対応するCPUの世代や機能が異なります。
Intelチップセットの例:
- Zシリーズ (例: Z790): 最も高性能なチップセットの一つで、CPUやメモリのオーバークロックに対応し、豊富な拡張性を備えています。ハイエンドなゲーミングPCやクリエイティブワークステーションの構築に向いています。
- Bシリーズ (例: B760): Zシリーズに比べて機能はやや抑えられますが、一般的な用途には十分な性能を持ち、コストパフォーマンスに優れています。
- Hシリーズ (例: H770, H610): エントリーレベルからミドルレンジ向けのチップセットで、基本的な機能を備えています。
Intelマザーボードを選ぶ際のポイント:
- 搭載したいIntel製CPUのソケットに対応しているかを確認します。
- PCの用途に合わせてチップセットを選ぶことが重要です。オーバークロックをしたい場合はZシリーズ、コストパフォーマンスを重視するならBシリーズなどが候補になります。
- 必要な拡張スロット(PCI Expressなど)の数や、USBポート、SATAポートの数を確認します。
- フォームファクタ(ATX, MicroATX, Mini-ITX)がPCケースに適合するかどうかを確認します。
AMDマザーボードの特徴と選び方
AMDマザーボードは、AMD製のCPUと組み合わせて使用します。こちらもチップセットの種類によって、対応するCPUの世代や機能が異なります。
AMDチップセットの例:
- Xシリーズ (例: X670E): 最も高性能なチップセットの一つで、CPUやメモリのオーバークロックに対応し、最新のテクノロジー(PCIe 5.0など)をサポートしています。ハイエンドなゲーミングPCやクリエイティブワークステーションの構築に最適です。
- Bシリーズ (例: B650): Xシリーズに比べて機能はやや抑えられますが、オーバークロックにも対応しており、コストパフォーマンスに優れています。多くのゲーマーや一般的なユーザーに適しています。
- Aシリーズ (例: A620): エントリーレベル向けのチップセットで、基本的な機能を備えています。
AMDマザーボードを選ぶ際のポイント:
- 搭載したいAMD製CPUのソケットに対応しているかを確認します。
- PCの用途に合わせてチップセットを選ぶことが重要です。最新技術を求めるならXシリーズ、コストパフォーマンスを重視するならBシリーズなどが候補になります。
- 必要な拡張スロット(PCI Expressなど)の数や、USBポート、SATAポートの数を確認します。
- フォームファクタ(ATX, MicroATX, Mini-ITX)がPCケースに適合するかどうかを確認します。
IntelとAMDマザーボードの主な違い
| 特徴 | Intelマザーボード | AMDマザーボード |
|---|---|---|
| 対応CPU | Intel製CPU | AMD製CPU |
| ソケット | LGA 1700 (例) など、CPU世代ごとに異なる | Socket AM5 (例) など、CPU世代ごとに異なる |
| チップセット | Zシリーズ、Bシリーズ、Hシリーズなど | Xシリーズ、Bシリーズ、Aシリーズなど |
| 傾向 | 一般的に、CPUの世代交代に伴いソケットが変わりやすい | 比較的、同一ソケットのサポート期間が長い傾向がある |
| 特徴 | チップセットによる機能差が大きい場合がある | コストパフォーマンスに優れた製品が多いという意見もある |
どちらを選ぶべきか?
IntelとAMDのどちらのマザーボードを選ぶかは、搭載するCPUによって決まります。CPUとマザーボードはセットで考える必要があり、どちらのメーカーのCPUを選ぶかが最初の分かれ道となります。
CPUの選択は、予算、用途(ゲーム、動画編集など)、そして個々の性能評価によって決まります。それぞれのCPUの性能や価格を比較検討した上で、最終的に搭載するCPUが決まれば、おのずと選ぶべきマザーボードのメーカーも決まります。
その上で、それぞれのメーカーのチップセットの種類や、マザーボードの持つ機能(拡張性、ポート数、フォームファクタなど)を比較検討し、あなたのニーズに最適な一枚を選びましょう。
まとめ
この記事では、IntelとAMDのマザーボードの違いについて、互換性、ソケット、チップセット、そして選び方のポイントを解説しました。
最も重要なことは、CPUとマザーボードの互換性です。Intel製CPUにはIntelマザーボード、AMD製CPUにはAMDマザーボードを組み合わせる必要があります。
それぞれのメーカーには、様々なチップセットと特徴を持つマザーボードが存在します。あなたの組みたいPCの構成と用途を考慮して、最適なCPUとマザーボードの組み合わせを見つけてください。


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